不眠症

「寝つきが悪い」「夜中や早朝に目が覚める」「ぐっすり寝た気がしない」――こうした睡眠トラブルのために、日常生活に支障をきたす状態になり、しかもそれが慢性的に続くようなら、それは不眠症かも知れません。

不眠症の症状

入眠障害

寝つきが悪く、なかなか眠れないタイプ(30分~1時間以上)で、心配事やストレスなどによって起こりやすくなります。ただし、一度寝ついてしまえば、朝まで眠れることが多いものです。入眠障害は、不眠症のなかでも一番よく見受けられます。

中途覚醒

寝つきは良いものの、寝ている途中にトイレなどで起きてしまうと、その後眠れなくなってしまい、そのために熟睡感が得られないタイプです。

熟眠障害

十分な睡眠時間をとっていても眠りが浅く、目覚めたときに「ぐっすり眠った感じ」がしないタイプです。高齢者や神経質な人に多く見られます。

早朝覚醒

寝つきは良く、すぐに眠れるものの、朝早く目が覚めると、そのまま眠れなくなってしまうタイプです。うつ病の患者さんや高齢者に多く見られます。

不眠症の原因

現代は、あらゆる環境(家庭や学校、職場など)にストレスが溢れており、そうしたストレスが原因となって不眠を訴える方が多く見られますが、主な原因は、下記の通りです。

  • 環境的原因:季節の変わり目、引っ越し など
  • 身体的原因:更年期などによるホルモンバランスの変化、身体疾患などを原因とした頻尿、皮膚病(アトピー性皮膚炎など)によるかゆみ など
  • 心理的原因:日中の生活環境への不安、イライラ、人間関係などの悩み など
  • 生活習慣的原因:アルコールや喫煙によるニコチン摂取、コーヒーの飲み過ぎなどによるカフェイン摂取過多、入眠前の過剰なインターネットの利用や携帯・スマホの操作 など

不眠症の治療法

不眠症の原因により治療法も変わりますが、日常生活を改善することで解消していく方法と、薬物による治療があります。

非薬物療法(生活習慣の改善)

  • 温度、明るさなどにより睡眠しやすい環境にする
  • 音楽や読書などリラックスできる時間を作る
  • 睡眠時間の4時間前に食事、1~2時間前に入浴をする
  • 朝日を浴びて正確な体内時計を保つ

など

薬物療法

超短時間型・短時間型・中間型・長時間型など不眠のタイプによって睡眠導入剤が変わります。

副作用(眠気の持越し)が少なく、依存性が低い薬もあります。